2014年7月17日木曜日

毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる (SB新書) [Kindle版]

毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる (SB新書) [Kindle版]

月間250km~300km位の走りこみをして、走力がついてきたと思ったら膝やアキレス腱を痛めて走れなくなる。1,2ヶ月休んで治ったらまた少しずつ走り出し、調子が上がって距離が増えてくるとまた怪我、そんな事を繰り返していました。本書と出会いランニングの強化が自転車でも出来るとの内容を半信半疑ながらこの秋実践してみました。月間のランニングの距離は100km程度に落とし替わりに自転車で500km程度と坂道トレーニングとあわせて実施し先日のつくばマラソンで自己ベストの3時間37分で走ることが出来ました。
日本人ランナーにありがちな練習距離に対する「距離信仰」をバッサリ否定している。距離ばかりを追うと効率の悪い(バネのない)ペタペタ走りになり、スピード感はなくなり、しかも故障しやすくなるという。かなり思いあたる節がある。
一方で、岩本理論や金哲彦理論とは異なる点も多い。岩本氏は多くの市民ランナーを指導してきた実践派であるのに対し、吉岡氏は筑波大学で研究・実験を行う学者派という点が根本的違いのように感じる。吉岡理論では自転車などを取り入れたクロストレーニングを推奨しているが、普段から自転車トレーニングもしている自分としてはあまりピンとこなかった。
また、吉岡理論ではクロストレーニングによってランの練習量は減るけれど、その分自転車の練習は増やさなければならないので結局練習時間という観点からはほとんど効率化されないということも気になった。
サブタイトル「月間たった80kmで2時間46分!超効率的トレーニング方法」とあるが、これは筆者自身の記録で、この筆者はもともと2時間40分台の記録を持っていた人なのであまり驚くことではない。自己ベストという訳でもなさそうだ。ラン以外に自転車トレーニングをかなりやっているらしいので「超効率的」というのは嘘。
感覚的にはこの吉岡理論よりも岩本理論、金理論の方に共感を覚える。三者とも薄底シューズを推奨している。金理論は体幹・腕振り重視なのに対し、吉岡理論は腕振りは最小限で股関節の動きを意識するように言っている。

以下、気になった備忘録的メモです。
・日本の実業団選手は1000~1300km/月ほど走るが、海外のトップ選手は600~800kmほど。
・LSDは必要ない。 LSDを推奨した佐々木功監督を間接的に否定している。
・トレーニング日誌を工夫する。主観的な強度、強度と時間のかけ算で算出できる負荷、そしてその日何を目的にトレーニングしたのかを記録する。
・ハーフマラソンのタイム×2+10~30分がフルマラソンの予想ゴールタイムです。ハーフマラソンは、レース本番までダメージが残らないように、3週間前までに済ませておきます。レース直後の筋肉痛が消えた後でも、筋肉の筋繊維に生じたミクロの損傷が治るまでには3週間程度はかかる。
・レースの後は思い切って1か月ほど休み、バランスの良い食事と十分な睡眠で、疲労回復に努めることが大切です。カラダを動かすなら、せいぜいウォーキングかスローペースのジョギングを週1~2回程度。それも最低でも2週間以上経ってからにしましょう。
・全米大学体育協会(NCAA)は、スポーツ障害を未然に防ぐためと各大学の練習時間を均一化するため、規定の練習時間を超えないように細かくチェックするシステムを整えている。
著者は、筑波大学でランニング研究されており、ランニング学会にも所属されているだけあって、説明が理論的かつ根拠がわかりやすい。 そのため、納得しながら、読み進めることができます。 練習内容自体は、かなりハードだと思います。 自転車とのクロストレーニングの有効性は理解できますが、ランニングに計算し直すと、300`程度だと思います。
とても長いタイトルの本です。
現在筑波大学で研究員をしている著者の研究および個人的経験からたどり着いたマラソンの練習方法です。
簡単に言うとクロストレーニングの有用性、長い距離だけを走る(LSD)のではなく、インターバルトレーニング、ファルトレク、ビルドアップを用いることで、月の走行距離を100kmも走らなくてもタイムを驚異的に縮めることができるというものです。

 たしかに、市民ランナーでも毎月200kmや300km走る人はまれではありませんが、それが無駄どころか故障のもとと言い切る著者の態度はすがすがしいです。

 非常識マラソンメソッドの岩本能史氏の本とともに、とても興味ある内容でした。
マラソンであれば自転車など、異なる運動によって普段使わない筋肉を意識し、
本来の目的を達成させる手法について詳しく触れられています。
自転車もマラソンも好きなので参考になりました。
走るだけがマラソンのトレーニングではなく、自転車を織り交ぜたクロストレーニング
が非常に有効である点について、科学的、実践的なノウハウとして提供されています。
平日は仕事があり、中々走る時間を見つけることが難しく、練習不足を気にしてイライラ
することが多かったのですが、少ない走行距離でもパフォーマンスを上げ、且つ故障リスク
を減らせることがわかったため精神的にも楽になりました。
また、ロードバイクへの興味を抱かせて頂き、トライアスロン等の競技への挑戦といった
新しいチャレンジ精神を掻き立ててくれます。


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