2014年7月2日水曜日

3秒で心電図を読む本 [単行本]

3秒で心電図を読む本 [単行本]

僕は某マイナー科11年目の医師ですが、心電図は苦手でした。
確かに、学生の時に心電図の原理を習ったし、循環器内科を回った時に色々教えてもらったし、当然教科書も読んだのですが、やはりとっつきにくいと言うのが正直なところでした。更に、マイナー科に進んだこともあり、さらに疎遠になり今に至っています。

では、どこがとっつきにくかったかと振り返ってみると、1)まず見るポイントが多すぎて、どこから見ればいいのか分からないということ。また、2)AST変化については、症状のない人でも、各誘導で上昇や下降にも見えて、有意な所見と言い切れなかったこと。最後に、3)これは正常心電図と言い切れる自信がないこと、などがあった。

この本では、これらのとっつきにくい点を挙げて、進めている。
1)について、表題には「3秒」とあるが、実際に読んでみると「3点」に絞って視線を動かすということである。だから、今までの教科書のように注目するポイントが多すぎるように感じないのである。当然、この3点を確実に見られれば、「3秒」でも読めるのかもしれない。
2)について、症状のない人のST変化・T波は読まない、という発想も良い。これには、検査の意味合い・限界などを考慮してのことだが、その辺の説明についてもうなずけるものであった。
3)について、正常心電図とは何か、というきわめて単純なことが、実にすっきり書かれていた。

もちろん、循環器内科の医師にとっては無用な本かもしれないが、それ以外の診療科の医師で心電図にはちょっと自信がない、という医師には福音となる著書と思う。
文章も読みやすく、1日で読むことができた。実際に、僕は当直中に読んでいたのだが、その日の患者さんの心電図を自信を持って正常と言えたのは、この本のおかげかも知れない。
この本を読んでも3秒で心電図が必ず読める、というわけではないが、この本読んだあとは心電図が楽しく読めるようにはなる。
心電図で見るべきポイントは案外少ないことが教えられる。
不整脈も専門家レベルでなければ単純に考えればいい、というのがわかる本。
心電図の長所・限界も書かれており、循環器科医以外の医師が読むにはおすすめ。
 私はマイナー科で15年目ですが、心電図の本を購入しては挫折・・の繰り返しでした。
 まずたいていの本が生理学的メカニズムから入る。それも大事でしょうが、あとから図示される心電図の例を見る頃には忘れてしまっている。前のページに戻るのが煩わしくて挫折。
 それから、疾患の緊急性というか、重みづけがよくわからない順番で心電図が紹介されていることが多くて、なんだか頭がごちゃごちゃして沈没。
 そんなことの繰り返しでした。
 そもそもマイナー科からすると、極論すればすぐに対応しなくてはならないIHDや危険な不整脈かどうかがわかればいいので、心肥大とか心筋症とかMobiz型なんとかとか、もうその辺は「専門家にお任せします」というのが正直なところです。
 その辺、本書はすぱっと「ここがポイントで、ここが危険信号(あとはまあ様子見)」と割り切っています。

 非常に安心感と自信をもらった本ですが、逆にいうと循環器専門医からすれば異論の多い本でしょうね。
 ただ、あまりはっきりとは書いていませんが、実は「検査も大事だけど、臨床症状はもっと大事だからね」というのが裏テーマな本でもあります。そういうスタンス好きです。
この本は本当に素晴らしい。
何故素晴らしいか。
臨床医は何か頭に考えながら、鑑別診断をうかべながら、その身体所見であったり、
追加検査を行うのが理想である。この検査で○○を評価しよう、この検査ではこのような結果が予想される、
では本当にそうなのか?といったように、検査とは確認作業である。

この本は一見とっつきにくい心電図検査において、どういう視点で心電図検査をオーダーし、評価すべきなのかを
明確にした初めての著書であると思う。

私自身上級医がこれは○○だねと結果だけ教えてくれる場面には多々遭遇するが、
上級医が何を考え、何をみているのかを教えてもらったことはない。

『師を見るな、師の見ているものを見よ』

正にこのことである。

この本を、心電図が得意だと言えない全ての人に強くお勧めします。
 中年医師です。この本を読めば、8割の心電図は読めます。なによりいいのは、異常がないと自信をもって言えることです。
心電図はその成り立ちとか、学生時代からいろいろ講義をうけましたが、実臨床ではなにから目をつけていいいのか,ちっともわかりませんでした。この本は、考え方もわかるし、明快に心電図の読む手順を教えてくれます。そして、心電図の限界も触れてくれて、きわめて納得のいく本でした。


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