2014年7月5日土曜日

驚異! 透明標本いきもの図鑑 (別冊宝島 1663 スタディー) [大型本]

驚異! 透明標本いきもの図鑑 (別冊宝島 1663 スタディー) [大型本]

本書を開いてまず目を引くのは白いバックライトの中に浮かび上がった透明標本の美しさだが、それだけの本ではない。透明標本の写真の横には透明化処理する前の、それぞれの生き物の写真も添付され、透明化されたことで分かりやすくなった骨の仕組みや働きの解説も添えられている。「透明標本」という技術そのものの解説もあるし、透明標本を用いた「骨格図鑑」として見ても、専門外の私には新鮮で興味深い、魅力的な内容であった。

しかしその一方では、これまで透明標本の対象とされてこなかった無脊椎動物の透明化処理を試みていたり、透明標本を用いた絵本的表現(?)に挑戦していたりなど、いわゆる「科学書」「学術書」の範疇には収まっていないところも面白い。「宝島別冊」らしい“あそびゴコロ”と“ごった煮感”にも満ちているのである。
かと思うと、透明標本の美しさにばかり注目が集まる結果として、生き物の命をインテリアやアートとして消費してしまうことに対しては、わざわざ1ページを割いて、きちんと警告を発している。心憎いばかりの目配りである。
(その点、ほぼ同時期に上梓された小学館の『[新世界]透明標本~New World Transparent Specimen~』とは対極的な位置にある。)

少年の頃、ホルマリン漬けになった標本や人体模型などが保管してあった理科準備室には、怖さと気持ち悪さの一方で、生き物の不思議を垣間見る驚きやワクワク感にも溢れていた。大人になったら自分も立派な科学者になって、いつかノーベル賞をもらおうと夢見ていたものだ(笑)。

本書を読んで、そんな少年の日のときめきが甦って来た。
最近話題になっている“透明標本”ですが、同時期に2冊でたため、どちらを買うか悩みましたが、まずはこちらを購入しました!
小学館からでている透明標本の本は、完全に写真集なので、透明標本自体のことにはさほど興味が無く、美しさだけを楽しみたいかたは、そちらの方が良いと思います。
別冊宝島は、写真集というよりも、透明標本をより深く楽しむためのガイドブック……といった感じでしょうか。(あ、ちなみに、上記の紹介に出ている、鳥類の標本は出ておりません……残念!)
とにかく、内容が盛りだくさんで、何度読んでも飽きません!!!
読むたびに新しい発見がありますし、何度も「へぇ~」「そうなのか~」と目から鱗が落ちました。
私は魚を鑑賞する目が変わりました。
別冊宝島シリーズならではの、マニアックな雰囲気も兼ね備えているので、ニヤリと笑えるページもあります。

ただキレイ、おもしろい、というだけではなく、透明標本の本当の鑑賞の仕方を教えてくれる本です。

透明標本に興味のあるかたはもちろん、透明標本を知らなかったかたでも、
買って損は無いと思います。

本当におもしろい本です!
表紙があれなんでひょっとしたら期待薄かなぁって思っていたのですが、
これが相当面白い!!
掲載されている透明標本の画像も色彩は勿論、
多少透明感の悪いものでも殆ど加工することのない画像を使用しているようです。
それは、透明標本の本来の姿を読者に教えてくれます。
また、ただ透明標本を紹介するだけではなく、
透明標本の観察の仕方や
普通は作成しないような生物の透明標本化の試み、
一種類ですが、「透明神経標本」なんていうのも掲載されていたりします。
ところどころに遊び心のエッセンスが散りばめられていて、
そんなページを開いたときなどは思わず笑ってしまったり(笑)
冨田さんの写真集とは全くコンセプトが異なり好みが分かれるところかも知れませんが、

「透明標本のことをもっと知りたい!!」

という方にはお勧めです!!

学術書のように難しい内容はないので、
小学生でも十分に楽しみめる一冊だと思います


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